Bentota Dining Chair

ベントタ・ダイニングチェアは、ベントタ・ビーチホテルのダイニングエリアのメインチェアとして、ジェフリー・バワによりデザインされました。光沢のあるブラックで仕上げられ、座面には、バワの長年の協働者であるバーバラ・サンソニが設立したテキスタイル工房「ベアフット」のコットン生地が張られていました。このチェアは1990年代の改装が行われるまで、20年以上使用され続けました。バワの家具の多くは特定の建築プロジェクトのために個別にデザインされましたが、このチェアは1984年、トリトンホテル（現在ヘリタンス・アフンガラ）のダイニングルームでも使用されました。もともとはチャイニーズレッドに塗装され、アームに小さな真鍮の補強金具が付いていましたが、後に緑色に再塗装されました。しかし、この鮮やかな色合いのチェアの多くは2004年の津波で失われてしまいました。 ファントム・ハンズによる今回の復刻版は、ベントタ・ビーチホテルのためにデザインされたチェアを基に製作されています。快適性を高め、手織りの張り地をより美しくおさめるために座面の角度を数度調整し、背のカーブや形状は人の体により沿うよう改良されています。座面クッションには、バーバラ・サンソニがデザインした深いオレンジと黒のストライプ柄「ジャック＆エボニー」を使用しており、名称はスリランカで家具材として使われてきた木の種類に由来します。 ファントム・ハンズはベアフットと協働し、No.11(バワの事務所兼自邸)に残されていたオリジナルの風合いを再現するため、標準のジャック＆エボニー生地の鮮やかな色調を落ち着かせ、経年変化による風合いを表現しました。フレームには、強度や環境面での優位性、着色のしやすさが優れている北米産レッドオークを使用。表面はブラッシング加工し、手触りの良い質感に仕上げてから、環境に優しい水性塗料を施しています。バワのデザインへの敬意を保ちながら、洗練された進化を遂げたチェアとなっています。