Pierre Chapo

ピエール・シャポ(1927-1987)は、20世紀を代表するフランスの家具デザイナーであり、木工職人としても名を馳せました。フランス・パリに生まれ、パリ国立高等美術学校で建築を学んだ後、彫刻家・画家である妻ニコル・ロルミエの協力のもと、自身がデザインした家具の製作と販売を開始します。 彼のデザインはすぐに注目を集め、最初の顧客には20世紀を代表する作家でありノーベル文学賞受賞者のサミュエル・ベケットがいました。シャポはベケットの有名な戯曲にちなんで「Godot Bed」を制作し、これが高い評価を受けてデザイナーとしての躍進の第一歩となりました。
1958年、パリに「ギャラリー・シャポ」を設立。ここでは自身の作品だけでなく、イサム・ノグチら他の芸術家の作品も紹介しました。 シャポは、イサム・ノグチの有機的なアプローチに強く共感し、戦後の社会主義的影響のもとで主流となった無機質な工業製品に違和感を抱いていました。家具デザインにおいて「実用性」以上の美的価値を重視し、黄金比の重要性を強く主張。彼の作品は、古典的な木工技術と伝統工芸に、現代的なアプローチを見事に融合させたものでした。
プロヴァンス地方のゴルドへ移住後、彼のデザインは伝統に根ざしながらも力強く大胆なスタイルへと進化。「Oeil Table」「T01 Table」「S01 Stool」「T21 Table」などの名作を生み出しました。これらは戦後のデザインムーブメントに大きな影響を与え、高いコレクション性を誇ります。
30年にわたるキャリアの中で、伝統的な工芸技術へのこだわりを失うことなく、それらが優れた家具に不可欠であると信じていました。彼の作品には、モダンなデザインと伝統的な職人技が融合しており、木材とその特性に対する深い愛情が色濃く表れています。

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